アルマイト
アルマイトとは
アルマイト(陽極酸化処理)とは、アルミニウムの表面に人工的に酸化皮膜(酸化アルミニウム)を形成する表面処理技術です。
金属の耐食性や耐摩耗性を高めるとともに、染色による装飾性の向上や電気絶縁性の付与など、さまざまな機能性を付与できます。
アルマイトの皮膜構造
アルマイトは下図のようなセル構造です。

アルマイト皮膜の成長過程
アルマイト皮膜の成長過程は下図のように表せます。
※アルミ表面の断面を模した図です。
アルマイト処理前の素地面を基準として、アルマイト皮膜の膜厚のうち1/2は素地面より外へ成長し、1/2は内へ成長します。


アルマイト皮膜の封孔・染色
アルマイト皮膜には無数の微細な孔が存在し、「封孔処理」により孔を閉じることで、耐食性が向上します。
封孔処理は、アルマイト皮膜の孔および表層に水和物を生成することで、孔を閉じます。
水和物は安定性の良い”ベーマイト(Al2O3・H2O)”が生成する処理条件を選定しています。
また、染料の溶液に浸漬してから封孔処理をすることで、「染色」が可能なことも、アルマイトの特徴です。
染色をする場合は、孔のサイズが比較的大きく、孔の数が多い硫酸アルマイトが適しています。


「染色なし」を指定される場合、何も色についての指示がないか、「無色」「クリア」「シルバー」「白」「透明」といった指示がされています。
「染色」の場合、「黒」などの色で指示がされています。
図は当社の硫酸アルマイト処理工程の一例です。
- 脱脂
- エッチング
- デスマット
- アルマイト
- 染色
- 封孔
- 純水湯洗
- 乾燥
お客様が求める製品仕様に合わせ、エッチング、デスマット、染色、封孔の要否を選定します。
アルマイト処理の選定
弊社では、硫酸・硫酸硬質・シュウ酸など、お客様の用途に応じた多彩なアルマイト処理に対応しています。
セル構造の項でご説明した中に、アルマイト皮膜には「バリヤー層」や「セル壁」といった部位があり、アルマイト電解中の化成電圧に比例して厚くなります
硫酸硬質アルマイト・シュウ酸アルマイトは、硫酸アルマイトと比較して、化成電圧が高いため、「セル壁」が厚くなり硬度が上がり、耐摩耗性が向上します。また、硫酸硬質アルマイトと比較して、シュウ酸アルマイトはアルマイト電解中の化成電圧が高いため、「セル壁」がより厚く、耐摩耗性がより良いです。

硫酸アルマイト

硫酸硬質アルマイト

シュウ酸アルマイト
※硬度だけを比較した場合、シュウ酸アルマイトよりも硫酸硬質アルマイトの方が硬い場合があります。
硫酸硬質アルマイトは低い温度で処理するため、皮膜の溶解が抑制されることで硬度が高くなります。
摺動部品などで耐摩耗性を向上させたい場合、弊社ではシュウ酸アルマイトをおすすめしています。
耐摩耗性を重視する部品の場合、封孔処理はおすすめしていません。耐摩耗性が低下します。
封孔処理が耐摩耗性に及ぼす影響は、弊社ホームページの”技術資料”よりご確認いただけます。
また、シュウ酸アルマイトは「セル壁が厚い」「孔径が小さい」ことから、硫酸アルマイトに比べて皮膜が緻密なので熱膨張への耐性が高く、クラックが発生しにくい特徴があります。
電解条件の最適化から膜厚・硬度など皮膜特性の制御、安定した外観の維持まで、長年培った技術とノウハウにより、品質安定性と機能性を両立した製品をご提供しています。
製品事例
弊社アルマイト設備および特徴
横へタップして全体を確認できます。
| アルマイト技術・設備 | 対応素材 | 特徴 | 品質管理 | 対応製品寸法 | 設備所有数 |
|---|---|---|---|---|---|
| シュウ酸アルマイト |
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2基 |
| 硫酸硬質アルマイト |
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1基 |
| 硫酸アルマイト |
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|
1基 |




